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Canon EOS R3 vs Hasselblad X1D II レビュー

約7分

無双のフルサイズカメラ EOS R3 と 中判ミラーレスカメラ Hasselblad X1D II をレビューしてみます。

ファインダーと背面モニター

R3のOLED電子ビューファインダーは高精細な576万ドットでリフレッシュレートは最高119.88fpsになります。
バリアングルモニターの解像度は約415万ドットで高解像度です。
電子シャッターを使えばブラックアウトフリーで撮影できます。

X1D IIの背面モニターは3.6型で3.2型のR3より大きいですが、解像度は約236万ドットで、Nikon Z9やLumix S1Hなどとほぼ同じ解像度です。

ファインダーは倍率0.87倍の369万ドットで、リフレッシュレートは60fpsです。
MF時でも荒く表示され、シャッターを切ると2秒ほどブラックアウトするので、R3の方がはるかに見やすいです。
でもブラックアウトのおかげで「撮っている感じ」は感じます。

明るい環境では、R3でも一眼レフの見え方には遥かに及びません。
私の場合ミラーレスでは肉眼でライティングを確認する必要があります。
細かいフレーミングも一眼レフの方がミリ単位で細かく行えます。

ハッセルブラッドは16bitのRAWで重厚感がある絵画のような色で撮れますが、
色再現性や色温度の安定性はR3の方が高いです。
枚数を撮る仕事ではCanonのカメラが圧倒的に使いやすいです。

大きさや操作性

R3はダイヤル自体もR6 MarkIIなどより大きくて使いやすいです。
私は手が大きいのでグリップもR5、R6より握りやすいです。

ハッセルはR6などより大きいので手になじみます。
私は身長が182㎝程なので、大きいカメラの方が使いやすいです。
レンズも大きいのでマニュアルフォーカスがやりやすく感じます。
シンプルなUIや外観のデザインなので、思考自体もシンプルになります。

スチルはハッセル、ムービーはLumixというように分けた方が思考は整理しやすいと感じました。
動画に特化していないCanon R3の動画UIはLumixほど洗練されていません。
R5Cなどで動画機ではまた違うかもしれないし、
Lumixは副業でブライダルを撮影していた頃からずっと使っているので、慣れの問題かもしれません。

レンズ

ハッセルブラッド Xシステム XCDレンズはレンズシャッターを採用しています。
レンズシャッターではストロボを使う際に、シャッタースピードが1/2000まで使えます。

メカシャッターを持たないので純正レンズ以外を使うときは電子シャッターによる歪みが出ます。
非純正レンズを使用する時は動かない物をストロボを使用しないで撮る必要があります。

スウェーデンで設計され日本で製造されています。
全てのXCDレンズかわかりませんが、工衛星用のレンズを作っている日東光学さんが製造元です。
FUJIFILMとの協業ではありません。

キャノンはEF-RFのマウントアダプターを出しているので、EFレンズをAFで運用できます。
RF24-70 f2.8 や RF100mm f2.8 Macroを買ってみましたが、手ブレ補正機能が付いただけであまり光学性能が上ったようには思えませんでした。

NikonはFマウントからZマウントに変えたことで描写力が格段に上がっていますが、Canonはなぜ上がっていないのだろう…
EFレンズにマウントアダプターを付けてもRFレンズと重さがあまり変わらないので、個人的にはEFレンズメインでの運用で良いかなと思います。
スタジオで使うならISは必要ないし、絞るので周辺描写も関係ありません。

CanonのAF速度や防水性能、ボケの量は素晴らしいですが、ハッセルの描写力も素晴らしいです。
しかしハッセルのレンズはバグもそれなりにありますし、壊れるかと思うほどAF音が大きいです。
レンズシャッターなので消耗もします。

テザー撮影

ハッセルはLightroomやCapture Oneでのテザー撮影ができません。
PhocusやiPadアプリのPhocus Mobile 2を使う必要があります。

テザーどころかCapture OneでX1DやX2DのRAW現像が行なえません。
今後も対応しない可能性が高いです。

動画性能

R3は6k RAWや10bit C-Log3で撮影できます。
しかしCinema RAW Lightが使えないので、使いやすいRAWではありません。

ハッセルは2.7kで動画撮影できますが、ダイナミックレンジが狭いし、ローリングシャッター歪みが大きいです。
ライトがコントロールされた状況で、あまり動きのない動画しか撮影できません。
中判での動画はX2D 50cかX1D IIIに期待します。

そういえばスチル撮影でもX1D IIはダイナミックレンジがあまり広くないと感じます。
中判の真価を発揮したいならX2D 100CやGFX 100Sを使用する必要があるかもしれません。

ボケ感

RFのボケ感が少し気になる部分があり、そこの設計が上手くいかないのでDSコーティングやSA(ボケ量)コントロールリングを開発したのかなと思ってしまいます。

中判のボケ感はより人間の目に近い気がします。
より上品なボケ量とボケ感で、これが中判が使われる大きな理由の1つになります。
特に中望遠域のレンズのボケ感はより中判らしさを感じさせてくれます。
XCD 2,5/90Vの作例>を見ると標準レンズはこれでいいのではないかと感じます。

まとめ?

バグが少なく、安定性が高いCanonを使う方が多くの仕事で失敗はなくなります。
R3やR5とLレンズを組み合わせた時の描写力は高く、少なくともピントがズレたハッセルよりはいい写真になります。
望遠や動体の撮影ではフルサイズを使う必要がありますし、描写力でもX1DはEOS R1に追いつかれるかもしれません。

ハッセルは純正レンズしかほぼ使えないので、サブ機も考えると相当お金がかかります。
フルサイズをサブ機で持つ必要性も出てくると思います。
仕事で「Canonでは駄目だ、中判を使え」と言われることはありません。

カメラは性能ではなくてロマンの領域で「なにを使いたいか」で選んで良いと思います。
性能なんて数年で古くなりますし、スチルなら5D MarkIVやD850で既に十分な領域にあります。
ムービーの場合はカメラ本体の性能に依存しますが、スチルの場合は性能で選ぶとしたらレンズで選んだ方が良いかもしれません。

混乱せずに使いこなせる人なら複数マウントを用途によって使い分ければいいので「こっちが上だ」なんて考えなくてもいいですよね。

XCD 55mm f/2.5 Vを予約したので暫くハッセルを使ってもっと中判を深いレベルで見極めてみようと思います。
使い慣れたメーカーのカメラとレンズではこういう絵が撮れるという風に想像できてしまうので、どんな絵か想像がつかない機材を使う楽しみもあります。

あ、ちなみにXCDレンズはクロップでフルサイズの画角でも使用できるので、半額で計算します。
50万ではなく25万として考えて、aps-cクロップまで考えるならさらに5万円引いて20万とします。

そしてX2D 100Cを使うなら更にクロップして使えるので2で割ります。
10万になります。
X2D 100Cの価格も半額になります。
安い!


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