一芸は万芸に通ず。
ということで10年ほどオフロードバイクで学んだことを写真に応用できないか考えてみます。
データに基づく理論ではないのでのでゆるく読んでください。
排気量とセンサーサイズ
aps-c → 125cc
フルサイズ → 250cc
中判 → 300cc~450cc
と置き換えて考えてみます。
バイクの場合
排気量が小さいとバイク重量が軽くなります。
ピストンが小さい方が、遠心力の関係から小回りが利きます。
初心者は小さい排気量を使い切ることによって、上達が早くなります。
250ccのバイクが最も売れるので、最も開発が進んでいます。
実力が拮抗していないと、排気量による優位性はありません。
中級者がどんなに良いバイクに乗っても、性能が低いバイクに乗ったトップライダーに勝てません。
450ccが上限のクラスでも、扱いやすさから300~400ccが使われることがあります。
扱いやすさとパワーは反比例する部分があるので、コースによって優位性が変化します。
カメラの場合
カメラではセンサーサイズが小さい方がボディが小さくなり、部品が小さくなることでAFや手ぶれ補正の性能を高めることができます。
最も売れるフルサイズに最も開発費が費やされています。
写真はバイクのように勝ち負けを決めるものではありませんが、上手な人は安いカメラでも良い写真を撮ることが出来ます。
Vera Change>さんは中古価格5万円ほどのCanon EOS 7D Mark IIで撮られています。
最も高画質で撮れるのはPhase One XFシステムや大判フィルムですが、GFX100sやX2D 100cの方が扱いやすく汎用性が高いです。
日本メーカー vs 海外メーカー
バイクの場合
日本メーカーは自社で多くの部品を長い時間テストして作り上げます。
部品の位置を決めるのにも数万時間のテストをして、ミリ単位で決定します。
プロトタイプで最高のモノを仕上げた後、コストを下げ、耐久性を上げて製品化します。
海外メーカーはそれ程テストをしません。
色々な部品メーカーと提携して、社外品の組み合わせで作っていきます。
組み立ても結構いい加減で、壊れやすいし、悪いところも直しません。
コストや耐久性を重視しないのでデザインはカッコ良く、性能はそれなりに出ています。
私が関わっていた海外メーカーはマーケティングばかりに力を入れていました。
大会で勝つ、人気のあるライダーを雇う、SNSや製品発表に力を入れるなどで。
一方で品質は悪く、対応もいい加減…
日本の景気悪化や円安、SNSが伸びていることから日本製の品質、さらに日本企業の品が下がらないことを祈ります。
国内メーカーでも台数が売れないメーカーほど撤退が速く、品質も外車に近いです。
カメラの場合
国内メーカーの大手は自社開発した部品が多く、デバッグも早く、テスト時間が長く、耐久性も高い印象です。
国外メーカーは少ないのですが、例えばハッセルブラッドのセンサーはソニー製で、レンズは日東光学さんが作ったりしています。
Leica S3など数が売れない製品はバグが多くなると思います。
重さと耐久性
バイクは重いほど耐久性が高くなります。
軽くして性能を出すにはお金がかかります。
世界のトップのバイクは1台数千万円です。
Lumix S1、GH6は重いですがオーバーヒートしにくくて、耐久性が高いです。
コンクリートへの落下テストもしているLumixは移動中のバイクから落としても問題なく使えました。
中国製品
バイクの場合
日本メーカーとの契約が終わった工場がコピー製品を作っています。
同じ設計や工場でも、製品管理が日本でなくなると品質が大きく低下します。
材質も落としている場合が多いです。
そこから台湾にコピー製品の生産工場が移ると若干品質が上がます。
中国は日本と人口の桁が違うので、売れる製品数やビジネスの感覚も変わるのだと思います。
中国メーカーへ視察と商談に行きましたが、どこまで本当のことを言っているか分からず信用できませんでした。
国や株主からの圧力もあり、一部のお金持ちが大手企業を動かしていて、個人の意志では自由に動けないのでしょう。
人の命を奪いかねないので、中国との取引は辞めました。
カメラの場合
ハイテクが得意な中国はドローン技術などが進んでいます。
バイクのより中国が得意な分野だと思います。
しかし契約違反によるコピー製品の製造をしているメーカーや、レンズにチリが入っているなど品質管理が甘いメーカーはあります。
圧倒的アウトプットと良質なインプット
トップライダーの練習やトレーニングの量は凄まじいです。
機材に沼ったり、パクパク口を開けて情報を求めているだけでは上達しません。
誰も手を引っ張って上達はさせてくれません。
何事も上達するには圧倒的な練習量と試行錯誤が必要ですが、良質なインプットも必要です。
「3年かけて良師を探せ。」「正師を得ざれば学ばざるに如かず。」など言葉があります。
トップ中のトップに習うのが1番上達が速く、行ける上限も変わってきます。
下手に中級者やそこそこの上級者に習うと弊害を及ぼします。
世界トップの実力
世界トップの実力は凄まじくて、バイクのジャンルによっては日本のチャンピオンが世界選手権に出ても最下位になります。
世界トップに食い込める日本人は、中学やそれ以下の年齢から世界の大会を経験しています。
どんなに努力しても、お金があり、環境が整っているトップとの差は開いていきます。
その感覚を知っていて、30歳近い日本トップの格闘家が世界を語っているのを見ると、人生の全てをかけて相当努力しないと厳しいなと感じます。
「1万時間の方則」では足りないくらいの練習とその質が必要と分かります。
写真や映像は上下で比べるものではないですが、本当に上手くなりたいなら今から専業になっても遅いくらいの努力が必要だと感じます。
何か本当にやりたいことがあるならすぐやるべきですよね。
精度と言語化
バイクが上手な人ほど精度が高く、それに伴って言語化、理論化がされています。
ミリ単位で制御したり、アクセル開度の段階が10数段階あったりします。
細分化してそれを繋げるのが技術と言えるのかもしれません。
意識した以上のことはなかなか出来ません。
何事も上手い人はそれに対するIQが非常に高いです。
写真でも上手な人ほど構図やライティングに対する精度が高く、言語化が進んでいるのでしょう。
機材依存度
日本のトップライダーはセッティングや使っている部品に関して質問を受けますが、多くの場合「何でもいい。」と答えます。
特定のモノを勧める場合、自分のスポンサー製品を勧めます。
エンジンのマッピングも変えていない場合が多く、自分がマシンに合わせていきます。
初心者はトップライダーのセッティングに合わせたがりますが、その人が使いやすいのが1番です。
中級者ほど下手にこの部分に拘ります。
自分の上達ではなく、機材やセッティングに依存しているからだと思います。
世界のトップチームはまた別世界で、全てバラして高性能作り変えて、数時間乗ったらオーバーホールします。
カメラもインフルエンサーやプロカメラマンはメーカーから安く買うか、ビジネス提携したり貰ってますよね。
信者を作れ
「儲けるなら信者を作ることだ。」とあるライダーが言っていました。
深く言及しませんが…
まとめ
バイクで世界大会に出る夢がありまして、最近でもその夢を見ます。
しかしまあお金とか色々な事情で断念しました。
バイクで得たことを他に応用することでその未練がなくなればと思って書きました。
何か思いついたら追記、修正をしていきます。
こんな感じで武術を写真に応用していくシリーズをYoutubeでやるかもしれませんが、なにをやろうかと方向性を見定めています。